キッチンカー・移動販売の補助金 2026年度|車両本体は対象外・内装工事は対象
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この記事のまとめ
小規模事業者持続化補助金の公募要領は「補助対象外となる経費」の⑤自動車等車両に、自動車・フォークリフト・キッチンカー・除雪車・キッチントレーラーを挙げている。この区分は8つの経費区分のいずれで計上した場合にも適用されるため、車両そのものの取得費は対象にならない。一方〈委託・外注費〉の「対象となる経費例」には「移動販売等を目的とした車の内装・改造工事」が明記されており、架装・内装の工事費は補助対象になりうる。調理機器は〈機械装置等費〉で、対象例に「生産販売拡大のための鍋・オーブン・冷凍冷蔵庫」「衛生向上や省スペース化のためのショーケース」が挙げられている。中古品は購入単価50万円(税抜き)未満のものだけが対象で、金額に関わらず2者以上の中古品販売事業者からの見積が必須、個人からの購入やオークションによる購入は不可。車検費用・駐車場代は補助対象経費として認められない経費に挙げられ、ガソリン代は〈旅費〉の対象とならない経費例と〈展示会等出展費〉の運搬費から除かれている。補助上限は〈一般型〉50万円(インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円の上乗せ)、〈創業型〉200万円(インボイス特例で50万円の上乗せ)。
キッチンカーや移動販売で補助金を調べると、まず突き当たるのが「車両そのものは買えるのか」という論点です。 結論から言うと、小規模事業者持続化補助金の公募要領はキッチンカー・キッチントレーラーを「補助対象外となる経費」に名指ししている一方、「移動販売等を目的とした車の内装・改造工事」を〈委託・外注費〉の対象となる経費例に挙げています。 つまり車両本体と架装・内装工事は、公募要領の上で別々に扱われています。 この記事では、その線引きを起点に、調理機器をどの経費区分に乗せるのか、中古の車両や厨房機器を買うときに何が求められるのか、イベント出店の費用はどう扱われるのかを、公募要領の記載を引きながら整理します。 最終的な可否は公募回と事業計画の内容で変わるため、申請前に必ず公式サイトと商工会議所・商工会でご確認ください。
移動販売に使える制度は持続化補助金の 2 タイプ
本記事で参照している国の主要補助金の公募要領のうち、移動販売の車の内装・改造工事を補助対象経費として名指ししているのは小規模事業者持続化補助金です。 持続化補助金の対象経費は「機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費」の 8 区分で、移動販売の設備投資はこのうち〈機械装置等費〉と〈委託・外注費〉に分かれて計上されます。
| 制度 | 補助上限額 | 補助率 | 対象 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 持続化〈一般型〉 | 50 万円(インボイス特例で 50 万円、賃金引上げ特例で 150 万円の上乗せ) | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は 3/4) | 小規模事業者全般(個人事業主を含む) | すでに営業している事業者の設備投資。既存店舗に移動販売を足す場合もこちら |
| 持続化〈創業型〉 | 200 万円(インボイス特例で 50 万円の上乗せ) | 2/3 | 開業日・特定創業支援等事業の支援日とも 1 年以内 | 開業にあわせて設備を揃えたい場合。一般型より補助上限額が大きい |
数値は持続化〈一般型〉第 20 回 / 持続化〈創業型〉第 4 回の公募要領を出典としています。公募回ごとに改定される可能性があるため、申請前に必ず個別記事および公式サイトで最新情報をご確認ください。 公募要領は一般型が創業型と同時に申請できないと定めているので、創業型の要件を満たすかどうかを先に確認するのが順序として効率的です。
なお持続化補助金の補助対象者は小規模事業者で、公募要領は「商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)は常時使用する従業員の数 5 人以下」「サービス業のうち宿泊業・娯楽業は 20 人以下」「製造業その他は 20 人以下」と業種ごとに区分しています。あわせて「業種の判定については、現に行っている事業の業態、または今後予定している業態によって判定します」とされ、業種の考え方は別紙「参考資料」に委ねられています。 移動販売の形態は事業者ごとに異なるため、自分がどの区分に当たるかは商工会議所・商工会または補助金事務局にご確認ください。
車両そのものは「補助対象外となる経費」に名指しされている
持続化補助金の公募要領には、8 つの経費区分の説明とは別に「補助対象外となる経費」の節があり、「上記(3)①から⑧に掲げる経費においても、下記に該当する経費は対象となりません」と定められています。その中の「⑤自動車等車両」に、次が挙げられています。
自動車/フォークリフト/キッチンカー/除雪車/キッチントレーラー など
- キッチンカーとキッチントレーラーが名指しで挙がっているのがこの制度の特徴です。 しかもこの節はどの経費区分で計上した場合にも働くと明記されているため、 経費区分を選び直すことで車両本体を対象にする、という組み立て方はできません。
- 〈機械装置等費〉側にも同じ趣旨の記載があります。対象とならない経費例に 「自動車等車両(『減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和 40 年大蔵省令第 15 号)』の『機械及び装置』区分に該当するものを除く)」が置かれ、 その除外にあたる対象となる経費例として挙げられているのは「ブルドーザー、パワーショベルその他の自走式作業用機械設備」という例示です。
- 車検費用・修理費も別途対象外です。補助対象経費として認められない経費に 「不動産購入・取得費、修理費、車検費用」が挙げられています。 手持ちの車両を車検に通す費用や故障の修理費を補助金でまかなう計画は立てられません。
- 個人売買・オークションでの購入も対象外です。 「新品・中古品問わず、(開業していない)個人からの購入やオークション(インターネットオークションを含みます)による購入」が 補助対象経費として認められない経費に挙げられています。
対象になるのは「車の内装・改造工事」
一方、〈委託・外注費〉の「対象となる経費例」には次が挙げられています。移動販売にとってはここが入口です。
店舗改装・バリアフリー化工事/利用客向けトイレの改装工事/製造・生産強化のためのガス・水道・排気工事/移動販売等を目的とした車の内装・改造工事/(補助事業計画の「Ⅰ.補助事業の内容」の「3. 業務効率化(生産性向上)の取組内容」に記載した場合に限り)従業員の作業導線改善のための従業員作業スペースの改装工事
- 見積書は車両と工事の内訳を分けてもらう。同じ表の「対象とならない経費例」には「『諸経費』などの委託・外注に係る内訳が不明な費用」が挙げられています。架装業者に一式で見積を出してもらうと、どこまでが内装・改造工事の費用なのかを申請時に自分で切り分けることになります。最初から内訳を分けて出してもらうのが確実です。
- 「販路開拓や業務効率化に結びつくか」が問われる。対象とならない経費例の筆頭は「補助事業で取り組む販路開拓や業務効率化に結びつかない工事」です。 工事の内容そのものより「その改造で何の販路を開くのか」を事業計画で示せるかが分かれ目になります。
- 〈委託・外注費〉に共通する前提も押さえておきます。公募要領はこの区分を 「自ら実行することが困難な業務に限ります」とし、 「委託内容、金額等が詳細に明記された契約書等を締結し、委託する側である補助事業者に成果物等が帰属する必要があります」 「実績報告の際に成果物が分かる資料の提出が必要になります」 「発注した業務の実務すべてを再委託することを前提とした経費は補助対象外です」と定めています。
- 処分制限財産に当たるかを事前に確認する。公募要領は〈委託・外注費〉の説明の中で「店舗改装において 50 万円(税抜き)以上の外注工事を行う場合等」が処分制限財産に該当するとし、補助事業者の義務の節では処分制限財産の例として 「単価 50 万円(税抜き)以上の機械装置等の購入や、自社ウェブサイトの外注による作成、店舗改装による不動産の効用増加等」を挙げています。 あわせて「『補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律』等の規定により、補助事業(補助金の交付を受けて行う事業)によって取得した財産には、処分制限が課されます」とも定めています。 該当すると補助事業終了後・補助金の支払後であっても一定の期間は処分(補助事業目的外での使用、譲渡、担保提供、廃棄等)が制限され、 処分するには事前に事務局の承認が必要で、承認を得ずに処分すると交付規程違反により補助金交付取消・返還命令(加算金付き)の対象になります。 架装した車両を将来手放す可能性がある場合は、その工事や設備が処分制限財産に当たるか、当たるなら処分制限期間はどれだけかを事務局に確認したうえで計画を立ててください。
- 発注総額 100 万円超(税込)は 2 者以上の相見積が必要です。 相見積は価格の妥当性を確認するためのもので、必ず補助事業者自身が別々の企業から取得することが求められています。 性質上見積を取ることが困難な場合は、随意契約の対象とする理由書を採択発表後・交付決定までに提出します。
店舗も持っていて内装工事をあわせて検討している場合は、対象/対象外の切り分けを工事全般で整理した 店舗改装・リフォームの補助金ガイド も併せてご覧ください。
調理機器・冷蔵設備は〈機械装置等費〉で計上する
車に積む調理機器や冷蔵設備は、工事ではなく物の購入なので〈機械装置等費〉です。移動販売と相性のよい設備が対象例に並んでいます。
高齢者・乳幼児連れ家族の集客力向上のための高齢者向け椅子・ベビーチェア/衛生向上や省スペース化のためのショーケース/生産販売拡大のための鍋・オーブン・冷凍冷蔵庫/ 新たなサービス提供のための製造・試作機械(特殊印刷プリンター、3Dプリンター含む)
- 「衛生向上や省スペース化のためのショーケース」は、限られた車内スペースに設備を収める移動販売の実情と結びつけて説明しやすい対象例です。「生産販売拡大のための鍋・オーブン・冷凍冷蔵庫」も、提供メニューを増やす計画とあわせて計上できます。
- 汎用性による除外には注意が必要です。対象とならない経費例には 「自転車・文房具等・パソコン・事務用プリンター・複合機・タブレット端末・WEB カメラ・ウェアラブル端末・PC 周辺機器・電話機・家庭用電気機械器具・その他汎用性が高く目的外使用になりえるもの」が挙げられています。 家庭用の調理家電で代用する構成にすると、この除外に当たらないかを説明する必要が出てきます。
- 入れ替えだけの購入は対象外。「単なる取替え更新であって新たな販路開拓につながらない機械装置等」と 「古い機械装置等の撤去・廃棄費用」がいずれも対象とならない経費例です。 公募要領は「通常の事業活動のための費用、単なる取替え更新の機械装置等の購入は補助対象外です」とも明記しています。
- 食材の仕入れは対象外。補助対象外となる経費の「通常の事業活動に係る経費」に 「販売している商品の仕入」「老朽化した既存機械の取替え費用」が挙げられています。 原材料を計上できるのは、新商品の試作品や包装パッケージの試作開発にともなう〈新商品開発費〉で、 こちらは「サンプルとして使用する必要最小限にとどめ、補助事業終了時には使い切ることが必要」とされ、 「開発・試作した商品をそのまま販売する場合の開発費用」は対象になりません。
- 金額の閾値が 2 つあります。単価 50 万円(税抜き)以上の機械装置等の購入は 「処分制限財産」に該当し、1 件あたり 100 万円(税込)超の購入は価格の妥当性を確認するため 2 者以上からの見積が必要です。
厨房機器そのものの選び方や、店舗を構える場合の論点は 飲食店向け補助金ガイド に詳しくまとめています。
中古の車両・厨房機器は「金額に関わらず 2 者以上の見積」
移動販売は初期投資を抑えるために中古を選ぶ場面が出てきます。公募要領は中古品に固有のルールを置いているので、購入先を決める前に確認してください。
- 条件を満たした場合のみ対象になります。公募要領は 「(ア) 購入単価が 50 万円(税抜き)未満のものであること」 「(イ) 中古品の購入にあたっては 2 者以上の中古品販売事業者から同等品について見積(見積書、価格表等)の取得が必要です」 の 2 条件を挙げ、この条件を満たした場合のみ補助対象経費として認めるとしています。
- 分割購入は全体が対象外です。 「単価が 50 万円(税抜き)以上の中古品を単価 50 万円(税抜き)未満になるように分割して購入する場合は、その中古品全体が補助対象外となります」と明記されています。
- 見積は金額に関わらず 2 者以上。新品では 1 件あたり 100 万円(税込)超が相見積の基準ですが、 中古品は「購入金額に関わらず、すべて、2 者以上からの見積が必要です」とされ、理由書の提出による随意契約での購入は、一切認められません。 見積書は採択発表後交付決定まで、および実績報告書の提出時に必ず添付します。
- 購入先の制限もあります。見積を取る相手は中古品販売事業者で、 「個人からの購入や、オークション(インターネットオークションを含みます)による購入は不可」と括弧書きで明示されています。
- 修理費と使えなかった場合の扱いも書かれています。 「修理費用は、補助対象経費として認められません」に加え、 「購入品の故障や不具合等により補助事業計画の取組への使用ができなかった場合には、補助対象外となります」とされています。
- 支払方法の制限にも注意してください。補助対象経費として認められない経費に 「1 取引 10 万円(税抜き)を超える現金支払」が挙げられています。 また「社内の役員・従業員や代表者・役員の親族(3 親等以内)へ発注しているもの」も対象外です。
イベント・マルシェ出店の費用はどの区分に乗るのか
移動販売は出店先が売上そのものなので、出店費用を計上できるかが気になるところです。公募要領は区分ごとに扱いを分けています。
- 〈展示会等出展費〉は「新商品等を展示会等に出展または商談会に参加するために要する経費」で、 出展料等に加えて関連する運搬費・通訳料・翻訳料も補助対象になります。 ただし運搬費からはレンタカー代、ガソリン代、駐車場代等は除くと括弧書きされています。
- 「販売のみを目的」だと対象外になります。対象外の展示会等出展費として 「販売のみを目的とし、販路開拓に繋がらないもの」が明記されているほか、 「補助事業期間外に開催される展示会等に係るもの」「飲食費を含んだ商談会参加費等」も挙げられています。 出店を計上するなら、その場での売上ではなく販路開拓につながる位置づけを説明できる形にしておく必要があります。
- 出展の申込みだけは交付決定前でもよい。公募要領は「請求書の発行日や出展料等の支払日が交付決定日より前となるもの」を対象外としつつ、 「展示会等の出展について、出展申込みは交付決定前でも構いません」と補足しています。 交付決定前の発注・契約・購入・支払いを対象外とする規定にも 「※展示会等への出展の申込みについてのみ、交付決定前の申込みでも補助対象となります」という注記が置かれています。
- 自社開催イベントの会場費は〈借料〉。「自社で開催するイベントの会場を借りるための費用は、⑦借料に該当します」 「商品・サービス PR イベントの会場を借りるための費用は、⑦借料に該当します」と案内されています。 〈借料〉は「補助事業遂行に直接必要な機器・設備等のリース料・レンタル料」で、 「自主事業など補助事業以外にも使用するもの、通常の生産活動のために使用するものは補助対象外」という制限が付きます。 家賃については「事務所等に係る家賃は補助対象となりません。ただし、既存の事務所賃料ではなく、新たな販路開拓の取組の一環として新たに事務所等を賃借する場合は、対象となる場合があります」とされ、 その場合は審査時に床面積の按分資料が必要になると案内されています。
- 出店場所への移動コストは出ない。〈旅費〉の対象とならない経費例に 「ガソリン代・駐車場代・タクシー代・レンタカー代・高速道路通行料・グリーン車・ビジネスクラス等の付加料金分」が挙げられ、 補助対象経費として認められない経費にも「駐車場代、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費」が挙げられています。 日々の出店にかかる燃料費・駐車場代は自己負担になる前提で資金計画を立ててください。
開業前・創業 1 年以内なら〈創業型〉も確認する
これから移動販売を始める場合、〈一般型〉より補助上限額が大きい〈創業型〉を使えるかが最初の分岐です。 創業型の公募要領は対象を「創業後 1 年以内の小規模事業者等」で、産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」による支援を受けた事業者としています。補助上限 200 万円(インボイス特例で 50 万円の上乗せ)、補助率 2/3 です。
- 証明書が必要です。申請には「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書の写し」が求められ、認定市区町村が発行したものに限るとされています。 証明書の内容等の詳細は当該認定市区町村等に直接問い合わせるよう案内されているため、支援を受ける市区町村の窓口が起点になります。
- 個人事業主は本人が支援を受けている必要があります。創業型の公募要領は 「個人事業主本人が、特定創業支援等事業による支援を受けた者であることが要件となる」旨を定めています。 なお「特定創業支援等事業による支援を受けた地域以外の地域で創業した場合も対象となる」との注記もあります。
- 開業日が申請日より後だと対象外。一般型の公募要領は補助対象にならない者として 「申請時点で開業していない創業予定者(例えば、既に税務署に開業届を提出していても、開業届上の開業日が申請日よりも後の場合は対象外)」 を挙げています。開業のスケジュールと公募回の締切の前後関係は早めに確認しておいてください。
車両・厨房機器のほかに開業のタイミングでそろえる設備がある場合は、設備ごとに対象/対象外の線引きが分かれます。 公募要領が〈機械装置等費〉の「対象となる経費例」「対象とならない経費例」として名指ししている設備は 開業時に買う設備の補助金ガイド に用途別で整理しています。
創業まわりの制度は 創業・開業時に使える補助金ガイド に、東京都・大阪府の地域制度は 東京都・大阪府 の記事にまとめています。
申請の進め方
移動販売特有の注意点は「見積を分ける」ことと「交付決定前に発注しない」ことの 2 点に集約されます。架装は納車まで時間がかかるぶん先に契約したくなりますが、交付決定通知を受ける前の発注・契約・購入・支払い(前払い含む)は補助対象外です。
ステップ 1: 車両本体と内装・改造工事を分けて見積を取る
公募要領はキッチンカー・キッチントレーラーを補助対象外となる経費に挙げる一方、「移動販売等を目的とした車の内装・改造工事」を委託・外注費の対象となる経費例に挙げている。1枚の見積に両方が混ざっていると切り分けが必要になるため、架装業者に内訳を分けて出してもらう。
ステップ 2: 改造の目的を「販路開拓」の言葉に翻訳する
委託・外注費の対象とならない経費例には「補助事業で取り組む販路開拓や業務効率化に結びつかない工事」がある。設備を新しくすること自体ではなく、その改造でどの客層をどう増やすのかを1文で言える状態にしてから申請準備に入る。
ステップ 3: 調理機器は〈機械装置等費〉、工事は〈委託・外注費〉に振り分ける
機械装置等費の対象となる経費例には「生産販売拡大のための鍋・オーブン・冷凍冷蔵庫」「衛生向上や省スペース化のためのショーケース」がある。区分をまたぐと計上先が変わるため、購入する物と発注する工事を最初にリスト化して分ける。
ステップ 4: 中古品を含めるなら見積の要件を先に確認する
中古品は購入単価50万円(税抜き)未満のものだけが対象で、金額に関わらず2者以上の中古品販売事業者からの見積が必要。個人からの購入やオークションによる購入は新品・中古品を問わず対象外なので、購入先を決める前に確認する。
ステップ 5: 地域の商工会議所・商工会に相談する
事業支援計画書(様式4)は、発行にあたり計画(様式2・3)等の内容について直接確認を受ける場合がある。申請受付締切より前に発行依頼の受付締切が設定されているため早めに相談する。
ステップ 6: GビズID アカウントを取得する
持続化補助金の公募要領は冒頭で「申請には『GビズIDプライム』のアカウント取得が必要です」としたうえで、申請先の項で電子申請システムの利用にGビズIDプライムもしくはGビズIDメンバーのアカウントが必要としている。取得に数週間程度を要するため未取得なら早めに登録する。既に取得済みでも登録情報が古い場合は最新化してから申請する。
ステップ 7: 電子申請システムから申請する
申請先は持続化補助金の電子申請システム(公式サイト参照)。商工会議所・商工会が発行する事業支援計画書(様式4)と併せて申請する。
ステップ 8: 採択 → 交付申請 → 交付決定後に発注する
交付決定前に発注・契約、購入、支払い(前払い含む)を実施したものは補助対象外。展示会等への出展の申込みだけは交付決定前でも対象になりうるが、請求書の発行が交付決定日以後である必要がある。
つまずきやすいポイント
- 車両込みの総額で計画を立ててしまう: キッチンカー・キッチントレーラーは補助対象外となる経費に名指しされているため、車両の取得費は補助対象になりません。 車両費と、補助対象になりうる内装・改造工事費・設備購入費は、資金計画の段階から分けて見積もってください。
- 区分経理を後回しにする: 公募要領は「補助事業を行うにあたっては、当該事業について区分経理を行ってください」とし、 補助対象経費は「当該事業に使用したものとして明確に区分できるもので、かつ証拠書類によって金額等が確認できるもののみ」としています。 対象・対象外が混ざりやすい移動販売では、最初から分けて記帳しておくのが安全です。
- 様式 4 の発行に時間がかかる: 必須書類である事業支援計画書(様式 4)は、発行にあたり計画(様式 2・3)等の内容について直接確認を受ける場合があり(商工会地区は発行のために面談を行います)、 申請受付締切より前に発行依頼の受付締切が設定されています。架装業者の見積取得と並行して早めに相談を始めてください。 なお公募要領は「社外の代理人のみで、地域の商工会・商工会議所へ相談や『事業支援計画書(様式 4)』の発行依頼等を行うことはできません」としています。
- 公募回ごとに要件が変わる: 補助上限額・特例・様式・締切はいずれも公募回ごとに改定される可能性があります。本記事の数値は公開時点の公募回を起点としているため、申請前に必ず公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。
本サイトからできること
本サイトでは、移動販売の設備投資に使える持続化補助金を含む主要補助金の公募開始・締切を追いかけています。 公募回ごとに締切が変わる制度なので、次の受付回を逃さないための通知をご用意しています。
よくある質問
キッチンカーの購入費用は補助金の対象になりますか?
小規模事業者持続化補助金の公募要領は「補助対象外となる経費」の⑤自動車等車両に、自動車・フォークリフト・キッチンカー・除雪車・キッチントレーラーを挙げています。この「補助対象外となる経費」は、機械装置等費・広報費・ウェブサイト関連費・展示会等出展費・旅費・新商品開発費・借料・委託・外注費の8区分に掲げる経費であっても該当すれば対象にならないと定められているため、車両そのものの取得費は補助対象になりません。一方で〈委託・外注費〉の「対象となる経費例」には「移動販売等を目的とした車の内装・改造工事」が挙げられており、車両本体と内装・改造工事は公募要領上で別々に扱われています。
車の内装・改造工事はどの経費区分で申請しますか?
〈委託・外注費〉です。「対象となる経費例」に「移動販売等を目的とした車の内装・改造工事」が明記されています。ただし同じ表の「対象とならない経費例」には「補助事業で取り組む販路開拓や業務効率化に結びつかない工事」が挙げられているため、改造そのものではなく改造によってどの販路を開くのかを補助事業計画で示す必要があります。また〈委託・外注費〉の対象とならない経費例には「『諸経費』などの委託・外注に係る内訳が不明な費用」も含まれるので、見積書は工事の内訳がわかる形で取得してください。
中古のキッチンカーや中古の厨房機器を買う場合の注意点は?
公募要領は中古品の購入について、(ア)購入単価が50万円(税抜き)未満のものであること、(イ)2者以上の中古品販売事業者から同等品について見積を取ること、の条件を満たした場合のみ補助対象経費として認めるとしています。単価50万円(税抜き)以上の中古品を50万円(税抜き)未満になるように分割して購入する場合は、その中古品全体が補助対象外です。中古品購入では購入金額に関わらずすべて2者以上からの見積が必要で、理由書の提出による随意契約での購入は認められません。加えて新品・中古品を問わず、(開業していない)個人からの購入やオークション(インターネットオークションを含む)による購入は補助対象外とされ、修理費用も補助対象として認められません。
イベントやマルシェへの出店費用は対象になりますか?
〈展示会等出展費〉は「新商品等を展示会等に出展または商談会に参加するために要する経費」で、出展料等に加えて関連する運搬費・通訳料・翻訳料も補助対象になります。ただし運搬費からはレンタカー代・ガソリン代・駐車場代等が除かれます。また「販売のみを目的とし、販路開拓に繋がらないもの」は補助対象外の展示会等出展費として明記されているため、その出店が販路開拓につながることを説明できるかが分かれ目になります。なお自社で開催するイベントの会場を借りるための費用は〈借料〉に該当すると公募要領が案内しています。
移動にかかるガソリン代や駐車場代、車検費用は補助されますか?
いずれも公募要領が対象外として挙げている経費です。〈旅費〉の「対象とならない経費例」に「ガソリン代・駐車場代・タクシー代・レンタカー代・高速道路通行料」が挙げられ、〈展示会等出展費〉でも関連する運搬費からレンタカー代・ガソリン代・駐車場代等が除かれています。さらに補助対象経費として認められない経費として「駐車場代、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費」および「不動産購入・取得費、修理費、車検費用」が挙げられています。日々の出店にかかる燃料費・駐車場代や車検費用は自己負担になる前提で資金計画を立ててください。
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大阪府内の個人事業主・小規模事業者・中小企業が2026年度に使える補助金を『国の補助金』『大阪府・大阪産業局の補助金』『市町村独自の補助金』の3層で整理。大阪産業局の海外出願支援・AI・IoT開発・現場スマート化補助金の対象と補助額、大阪府全域と大阪市内限定の違い、大阪商工会議所のサポートまで公式情報をもとに解説します。
開業時に買う設備の補助金 2026年度
開業時にそろえる設備は補助金の対象になるのか。小規模事業者持続化補助金の公募要領が対象例として名指ししている設備と、対象とならない経費例に挙げている設備を突き合わせて整理します。申請時点で開業していない創業予定者は補助対象外、交付決定前の発注も対象外という順序の制約、中古品を購入する場合の条件、〈一般型〉と〈創業型〉の補助上限額の違いまで、個人事業主が開業のタイミングで迷いやすい論点をまとめました。