ハンドメイド作家の補助金 2026年度|3Dプリンターは対象例・販売用材料は対象外
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この記事のまとめ
小規模事業者持続化補助金の公募要領は、〈機械装置等費〉の「対象となる経費例」に「新たなサービス提供のための製造・試作機械(特殊印刷プリンター、3Dプリンター含む)」を、〈新商品開発費〉の「対象となる経費例」に「新製品・商品の試作開発用の原材料の購入」「新たな包装パッケージに係るデザイン費用」を挙げている。一方で補助対象外となる経費として「販売や有償レンタルを目的とした製品、商品等の生産・調達に係る経費」「販売している商品の仕入」を、補助対象外となる事業として「機械を導入して試作品開発を行うのみであり、本事業の取組が直接販売の見込みにつながらない、想定されていない事業」を挙げている。つまり、新しい作品を作れるようにする機械と試作の材料は対象例にあり、売る分の材料と仕入は対象外、試作だけで販売の見込みにつながらない計画も対象外という線引きになる。クラフトフェア・マルシェへの出展は〈展示会等出展費〉と〈旅費〉、ネットショップと作品写真は〈ウェブサイト関連費〉で計上する。この記載は〈一般型〉第20回・〈創業型〉第4回のどちらの公募要領にもある。
この記事は、ハンドメイド作家・クラフト作家が補助金を調べるときの「材料費は出るのか」「3D プリンターは買えるのか」という 2 つの疑問から始めます。小規模事業者持続化補助金の公募要領は、この 2 つに対象例と対象外例の両方で答えています。〈機械装置等費〉の「対象となる経費例」には「新たなサービス提供のための製造・試作機械(特殊印刷プリンター、3Dプリンター含む)」が、〈新商品開発費〉の「対象となる経費例」には「新製品・商品の試作開発用の原材料の購入」が挙がる一方、補助対象外となる経費には「販売や有償レンタルを目的とした製品、商品等の生産・調達に係る経費」が名指しされています。線は「試作のためか、販売用か」で引かれています。 この記事では、その線引きを起点に、製造・試作機械、試作の材料とパッケージ、クラフトフェア・マルシェへの出展、ネットショップと作品写真がそれぞれどの経費区分でどう扱われるのかを、公募要領の記載を引きながら整理します。 デザインやライティングなど無形のサービスを提供する方は フリーランス・個人クリエイター向けの記事、ネットショップの構築そのものは EC サイト構築の記事、実店舗を構えて販売する方は 小売店向けの記事で扱っています。本記事は自分で作った物を売る作家向けです。 最終的な可否は公募回と事業計画の内容で変わるため、申請前に必ず公式サイトと商工会議所・商工会でご確認ください。
ハンドメイド作家が使える持続化補助金は 2 タイプ
持続化補助金の対象経費は「機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費」の 8 区分です。作家の投資はこのうち〈機械装置等費〉〈新商品開発費〉〈展示会等出展費〉〈旅費〉〈ウェブサイト関連費〉〈広報費〉に分かれて計上されます。
| 制度 | 補助上限額 | 補助率 | 対象 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 持続化〈一般型〉 | 50 万円(インボイス特例で 50 万円、賃金引上げ特例で 150 万円の上乗せ) | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は 3/4) | 小規模事業者全般(個人事業主を含む) | すでに開業届を出して販売している作家の機械導入・試作・出展・ネット販売 |
| 持続化〈創業型〉 | 200 万円(インボイス特例で 50 万円の上乗せ) | 2/3 | 開業日・特定創業支援等事業の支援日とも 1 年以内 | 開業から 1 年以内で特定創業支援等事業の支援を受けている場合。一般型より補助上限額が大きい |
数値は持続化〈一般型〉第 20 回 / 持続化〈創業型〉第 4 回の公募要領を出典としています。公募回ごとに改定される可能性があるため、申請前に必ず個別記事および公式サイトで最新情報をご確認ください。 公募要領は一般型が創業型と同時に申請できないと定めているので、創業型の要件を満たすかどうかを先に確認するのが順序として効率的です。
- 開業して販売を始めていることが前提です。「補助対象者の範囲」の表で個人事業主は「個人事業主(商工業者であること)」と書かれ、補助対象にならない者に 「申請時点で開業していない創業予定者(例えば、既に税務署に開業届を提出していても、開業届上の開業日が申請日よりも後の場合は対象外)」が挙げられています。 注記には「既に税務署に開業届を提出していても、申請時点までに事業を開始していない場合も補助対象外となります」とあります。
- 副業かどうかで線を引く記載はありません。本記事が参照している〈一般型〉第 20 回・〈創業型〉第 4 回の公募要領には、会社員の副業として事業を行っているかどうかで補助対象者を分ける記載はありません。 個人事業主の必要書類は直近の確定申告書で、決算期を一度も迎えていない場合のみ、 「申請段階で開業していることがわかる開業届の写しおよび開業以降売上が発生していることを証する売上台帳等(任意様式)の写し」に代えられます。
- 従業員の人数基準は業種で変わります。「商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)」は常時使用する従業員の数 5 人以下、「製造業その他」は 20 人以下です。公募要領は「業種の判定については、現に行っている事業の業態、または今後予定している業態によって判定します」とし、 「業種の考え方については、後日公開する別紙「参考資料」をご参照ください」としています。作って売る作家がどちらに当たるかは、商工会議所・商工会に確認してください。
「試作の材料は対象、販売用の材料は対象外」— 公募要領の線引き
この制度でハンドメイド作家がまず確認すべきなのは、公募要領が材料と機械の両方について、対象例と対象外例を対にして書いている点です。
対象側は 2 箇所です。〈機械装置等費〉の「対象となる経費例」に次があります。
新たなサービス提供のための製造・試作機械(特殊印刷プリンター、3Dプリンター含む)
〈新商品開発費〉の「対象となる経費例」には次があります。
新製品・商品の試作開発用の原材料の購入/新たな包装パッケージに係るデザイン費用
対象外側は経費区分をまたいで働く「補助対象外となる経費」の節にあります。公募要領は「上記(3)①から⑧に掲げる経費においても、下記に該当する経費は対象となりません」と前置きしたうえで、次を挙げています。
②通常の事業活動に係る経費 ○販売している商品の仕入
③販売や有償レンタルを目的とした製品、商品等の生産・調達に係る経費
④他社のために実施する経費 ○他社の商品を宣伝するための HP 制作費や他社製品を製造するための機械の導入
- 売る作品の材料は「生産・調達に係る経費」に当たります。販売する作品を作るための材料費や仕入を補助金でまかなう計画は組めません。対象になるのは、新しい作品を開発するための試作に使う材料です。
- この節は経費区分を選び直しても回避できません。公募要領がこの節を「①から⑧に掲げる経費においても」対象とならないと定めているため、販売用の材料を〈機械装置等費〉や〈新商品開発費〉に振り替えて対象にする、という組み立て方はできません。
- 受託製作のための機械は別の項目で対象外です。「他社製品を製造するための機械の導入」が「他社のために実施する経費」として挙げられています。他の事業者から依頼を受けて製作する分のために機械を入れる計画は、この項目に当たらないかを確認する必要があります。
- 計上した経費の内訳にも影響します。公募要領は同じ節で「計上されている経費の大半が補助対象外である場合、補助事業の円滑な実施が困難であるとして、不採択・採択取消になりますので、ご注意ください」としています。
計画は「新しい作品を作れるようにして、売る」に寄せる
対象外の線はもう 1 本あります。公募要領は「補助対象外となる事業」に「本事業の終了後、概ね 1 年以内に売上げにつながることが見込まれない事業」を挙げ、その例として次を示しています。
機械を導入して試作品開発を行うのみであり、本事業の取組が直接販売の見込みにつながらない、想定されていない事業
つまり販売用の材料は対象外で、試作だけで販売の見込みにつながらない計画も対象外です。 持続化補助金が想定しているのは、機械や試作の材料で新しい作品を作れるようにし、その作品を売る販路を開くという組み立てで、公募要領は補助対象となる経費の条件として 「使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費」を挙げています。
- 販路まで決めてから機械を選びます。クラフトフェアに出す、ネットショップを開く、卸先を作るといった販路のどれを取るのかによって、〈展示会等出展費〉〈ウェブサイト関連費〉〈広報費〉のどれを組み合わせるかが決まります。
- 区分経理が前提です。公募要領は「補助事業を行うにあたっては、当該事業について区分経理を行ってください」とし、 補助対象経費を「当該事業に使用したものとして明確に区分できるもので、かつ証拠書類によって金額等が確認できるもののみ」としています。 試作用の材料と販売用の材料は、記帳の段階から分けておくほうが実績報告の負担が軽くなります。
- 「通常の事業活動」との切り分けも問われます。〈機械装置等費〉には「通常の事業活動のための費用、単なる取替え更新の機械装置等の購入は補助対象外です」という定めがあり、 〈広報費〉にも「単なる会社のPRや営業活動に活用される広報費は、補助対象外です」という定めがあります。
3D プリンター・特殊印刷プリンターは〈機械装置等費〉
機械の購入は〈機械装置等費〉です。公募要領はこの区分を「補助事業の遂行に必要な機械装置等の購入に要する経費」と定義しています。 「対象となる経費例」に挙げられているのは次のとおりです。
高齢者・乳幼児連れ家族の集客力向上のための高齢者向け椅子・ベビーチェア/衛生向上や省スペース化のためのショーケース/生産販売拡大のための鍋・オーブン・冷凍冷蔵庫/新たなサービス提供のための製造・試作機械(特殊印刷プリンター、3Dプリンター含む)/自動車等車両のうち「減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和 40 年大蔵省令第 15 号)」の「機械及び装置」区分に該当するもの(例:ブルドーザー、パワーショベルその他の自走式作業用機械設備)
- 3D プリンターと特殊印刷プリンターは名指しされています。「製造・試作機械」の括弧書きに「特殊印刷プリンター、3Dプリンター含む」とあり、用途は「新たなサービス提供のため」と添えられています。同じ表の「対象とならない経費例」には「事務用プリンター・複合機」があり、プリンターは製造・試作に使うものと事務用とで書き分けられています。
- レーザーカッター・ミシン・ハンドプレスなどは名指しがありません。本記事が参照している〈一般型〉第 20 回・〈創業型〉第 4 回の公募要領には、これらの機器名は「対象となる経費例」にも「対象とならない経費例」にも記載がありません。ただし「例示にない=対象外」でも「例示にない=対象」でもない点に注意が必要です。判断材料になるのは、新たなサービス提供・生産販売拡大の必然性があるか、単なる取替え更新になっていないか、という一般の規定です。 本記事では公募要領に記載のない可否を断定しません。申請前に商工会議所・商工会または補助金事務局へ必ずご確認ください。
- 家庭用と汎用品は対象外に挙げられています。「対象とならない経費例」には「自転車・文房具等・パソコン・事務用プリンター・複合機・タブレット端末・WEB カメラ・ウェアラブル端末・PC 周辺機器(ハードディスク・LAN・Wi-Fi・サーバー・モニター・スキャナー・ルーター、ヘッドセット・イヤホン等)・電話機・家庭用電気機械器具・その他汎用性が高く目的外使用になりえるもの」が並びます。 家庭でも使える機器を選ぶ場合は、この 2 項目に当たらないかを計画の段階で確認してください。
- 「単なる取替え更新」は対象外です。「対象とならない経費例」に「単なる取替え更新であって新たな販路開拓につながらない機械装置等」があり、 補助対象経費として認められない経費にも「老朽化した既存機械の取替え費用」が挙げられています。 使っている機械の買い替えそのものではなく、それによって新しく何を作れるようになるのかが問われます。
- 単価 50 万円(税抜き)以上は処分制限財産です。補助事業が終了して補助金の支払を受けた後も、一定の期間は処分(補助事業目的外での使用、譲渡、担保提供、廃棄等)が制限されます。 処分には事務局の承認が必要で、承認を得ずに処分すると交付規程違反により補助金交付取消・返還命令(加算金付き)の対象になります。発注総額(1 件あたり)が 50 万円(税込)超の購入は 2 者以上からの見積が必要です。
- 中古品には別の条件が付きます。補助対象として認められるのは「購入単価が 50 万円(税抜き)未満のものであること」に加え、2 者以上の中古品販売事業者から同等品について見積(見積書、価格表等)を取得した場合で、 中古品購入では購入金額に関わらずすべて 2 者以上からの見積が必要です。個人からの購入やオークションによる購入は不可で、修理費用も補助対象経費として認められません。
試作の材料・パッケージのデザインは〈新商品開発費〉
試作に使う材料は〈新商品開発費〉です。公募要領はこの区分を 「新商品の試作品や包装パッケージの試作開発にともなう原材料、設計、デザイン、製造、改良、加工するために支払われる経費」と定義しています。 対象例と対象外例は次のとおりです。
対象となる経費例: 新製品・商品の試作開発用の原材料の購入/新たな包装パッケージに係るデザイン費用
対象とならない経費例: 文房具等/開発・試作した商品をそのまま販売する場合の開発費用/試作開発用目的の購入で使い切らなかった材料分/デザインの改良等をしない既存の包装パッケージの印刷・購入/(包装パッケージの開発が完了し)実際に販売する商品・製品を包装するために印刷・購入するパッケージ分/システム開発・構築(③ウェブサイト関連費にて計上してください)
- 数量は必要最小限で、使い切りが条件です。公募要領は「購入する原材料等の数量はサンプルとして使用する必要最小限にとどめ、補助事業終了時には使い切ることが必要です(実際に使用したもののみが補助対象です)」としています。 まとめ買いした材料の余りは「使い切らなかった材料分」として対象外になります。
- 受払簿を作ります。「原材料費を補助対象経費として計上する場合は、受払簿(任意様式)を作成し、その受け払いを明確にしておく必要があります」と定められています。
- テストマーケティングか市場調査の記載が要ります。公募要領は「テストマーケティングや市場調査を行った結果を踏まえたもの、または、それらを伴うものが補助対象となります」とし、 その内容と結果を補助事業計画(様式 2)に記載するよう求めています。申請時点で未実施の場合は実績報告書(様式第 8)に記載し、 「申請時または実績報告時のいずれにおいても、当該内容および結果の記載が確認できない場合は、当該経費は補助対象外となります」とされています。
- パッケージは「デザイン」と「販売用の包装材」で分かれます。「新たな包装パッケージに係るデザイン費用」は対象例にある一方、 「(包装パッケージの開発が完了し)実際に販売する商品・製品を包装するために印刷・購入するパッケージ分」は対象外例にあります。 発送に使う段ボール・梱包材・OPP・CPP 袋は、補助対象経費として認められない経費の「消耗品」の例示に含まれています。
クラフトフェア・マルシェへの出展は〈展示会等出展費〉と〈旅費〉
出展料は〈展示会等出展費〉です。公募要領はこの区分を「新商品等を展示会等に出展または商談会に参加するために要する経費」と定義し、 「展示会出展の出展料等に加えて、関連する運搬費(レンタカー代、ガソリン代、駐車場代等は除く)・通訳料・翻訳料も補助対象となります」としています。 補助対象外として挙げられているのは次のとおりです。
国(国以外の機関が、国から受けた補助金等により実施する場合を含む)により出展料の一部助成を受けるもの/請求書の発行日や出展料等の支払日が交付決定日より前となるもの/販売のみを目的とし、販路開拓に繋がらないもの/補助事業期間外に開催される展示会等に係るもの/選考会、審査会(○○賞)等への参加・申込費用/実績報告の際に提出する証拠書類の翻訳料/文房具等の事務用品等の消耗品代/飲食費を含んだ商談会参加費等
- 「販売のみを目的」の出展は対象外です。作品を売る場としてだけ出るのではなく、新しい作品を見せて販路を開く出展であることを補助事業計画で説明できるかが分かれ目になります。
- 申込みは交付決定前でも構いません。公募要領は「展示会等の出展について、出展申込みは交付決定前でも構いません」としていますが、 「請求書の発行が交付決定日以後でなければ補助対象外です」ともしています。先に申込みが要るイベントでも、この順序を押さえておくと計画に組み込めます。
- 出展に必要な機械装置等の購入は〈機械装置等費〉、自主イベントの会場代は〈借料〉です。公募要領は「出展等にあたり必要な機械装置等の購入は、①機械装置等費に該当します」「自社で開催するイベントの会場を借りるための費用は、⑦借料に該当します」としています。
- 会場までの移動と宿泊は〈旅費〉です。「対象となる経費例」に「販路開拓のための展示会等への出展に係る宿泊施設への宿泊代」「バス運賃・電車賃・新幹線料金(指定席購入 含む)・航空券代(燃油サーチャージ含む。エコノミークラス分の料金までが補助対象)」があり、公募要領は移動費を「公共交通機関を用いた最も経済的および合理的な経路により算出された実費」としています。 「ガソリン代・駐車場代・タクシー代・レンタカー代・高速道路通行料・グリーン車・ビジネスクラス等の付加料金分」「日当」「視察・セミナー等参加のための旅費」は対象外です。 車で作品を運ぶ場合のガソリン代・駐車場代は、出展費側でも旅費側でも除かれています。
ネットショップと作品写真は〈ウェブサイト関連費〉
ネットショップの開設・更新と、そこに載せる作品写真は〈ウェブサイト関連費〉です。公募要領はこの区分を「販路開拓等を行うためのウェブサイトや EC サイト、システム(オフライン含む)等の開発、構築、更新、改修、運用をするために要する経費」と定義しています。
商品販売のためのウェブサイト作成や更新/効果や作業内容が明確なウェブサイトの SEO 対策/商品販売のためのウェブサイトに掲載する宣材写真の制作費用/ウェブサイトに掲載する商品・サービスを販売するための画像や動画作成費用
- 作品の撮影費用は対象例にあります。「宣材写真の制作費用」「画像や動画作成費用」が例示されている一方、「対象とならない経費例」には 「ウェブサイトに使用する画像等における被写体や商品(紹介物等を含む)の購入に係る費用」があります。撮影のために被写体となる作品や物を買う費用は対象外側です。
- 上限 30 万円(税込)・単独申請不可です。公募要領は「ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。必ず、ほかの経費と一緒に申請してください」とし、 「当経費の補助金交付申請額の上限は 30 万円(税込)です」としています。
- チラシや SNS 広告は〈広報費〉です。〈広報費〉の「対象となる経費例」には「チラシ・カタログの外注や発送」「SNS広告、運用代行費」「商品・サービスの宣伝のための画像や動画作成」があり、 公募要領は「自社ホームページや、ECサイトにて使用する動画や写真の制作費用等については、③ウェブサイト関連費にて計上してください」としています。 〈広報費〉も上限は 30 万円(税込)で、その区分のみによる申請はできません。
- 試供品は「販売用商品と明確に異なる」場合だけ対象です。〈広報費〉の対象例は「試供品(販売用商品と明確に異なるものである場合のみ)」で、対象外例に「試供品(販売用商品と同じものを試供品として用いる場合)」があります。 販売している作品をそのまま配る計画は対象外側です。
- 50 万円(税抜き)以上で作成・更新すると処分制限財産に該当することがあります。公募要領はこの区分について、制限の長さを「一定の期間(通常は取得日から 5 年間)」と記載しています。
ネットショップの構築費用・モール利用料・広告運用の対象/対象外は EC サイト構築の補助金ガイド に、開業のタイミングでそろえる設備は 開業時に買う設備の補助金ガイド に用途別で整理しています。
申請の進め方
ハンドメイド作家に特有の注意点は「販売用の材料を計画に入れない」ことと「試作だけで販売につながらない計画にしない」ことの 2 点です。機械の導入やイベント出展を先に手配したくなる場面でも、交付決定通知を受ける前の発注・契約・購入・支払い(前払い含む)は補助対象外です。
ステップ 1: 「何を新しく作れるようにして、どこで売るか」を先に決める
公募要領は補助対象外となる事業に「本事業の終了後、概ね 1 年以内に売上げにつながることが見込まれない事業」を挙げ、その例として「機械を導入して試作品開発を行うのみであり、本事業の取組が直接販売の見込みにつながらない、想定されていない事業」を示している。機械や試作の材料を計画に載せる前に、その先の販路(クラフトフェア・ネットショップ・卸先など)まで決める。
ステップ 2: 買う物・材料・出展・サイトを経費区分に振り分ける
対象経費は機械装置等費・広報費・ウェブサイト関連費・展示会等出展費・旅費・新商品開発費・借料・委託・外注費の8区分。製造・試作機械は〈機械装置等費〉、試作用の原材料とパッケージのデザインは〈新商品開発費〉、クラフトフェアの出展料は〈展示会等出展費〉、会場までの交通費・宿泊費は〈旅費〉、ネットショップと作品写真は〈ウェブサイト関連費〉に分かれる。
ステップ 3: 試作用の材料は受払簿・使い切り・テストマーケティングの記載を織り込む
原材料費を計上する場合は受払簿(任意様式)を作成して受け払いを明確にし、購入数量はサンプルとして使用する必要最小限にとどめて補助事業終了時に使い切る。〈新商品開発費〉はテストマーケティングや市場調査の結果を踏まえたものが対象で、その内容と結果を補助事業計画(様式2)に、未実施なら実績報告書(様式第8)に記載する。いずれにも記載がないと当該経費は補助対象外になる。
ステップ 4: 見積の要件を先に確認する
発注総額(1件あたり)が50万円(税込)超の機械装置等の購入は2者以上から見積を取る。中古品は購入単価50万円(税抜き)未満のものだけが対象で、金額に関わらず2者以上の中古品販売事業者からの見積が必要。新品・中古品を問わず、(開業していない)個人からの購入やオークションによる購入は補助対象外なので、購入先を決める前に確認する。
ステップ 5: 地域の商工会議所・商工会に相談する
事業支援計画書(様式4)は、発行にあたり計画(様式2・3)等の内容について直接確認を受ける場合がある。申請受付締切より前に発行依頼の受付締切が設定されているため早めに相談する。業種の判定(商業・サービス業か製造業その他か)についても、公募要領は現に行っている事業の業態で判定するとし、業種の考え方は別紙「参考資料」を参照するよう定めているので、ここで併せて確認する。
ステップ 6: GビズID アカウントを取得する
持続化補助金の公募要領は冒頭で「申請には『GビズIDプライム』のアカウント取得が必要です」としたうえで、申請先の項で電子申請システムの利用にGビズIDプライムもしくはGビズIDメンバーのアカウントが必要としている。公募要領は「アカウントの取得には数週間程度を要します」としているため未取得なら早めに登録する。既に取得済みでも登録情報が古い場合は最新化してから申請する。
ステップ 7: 電子申請システムから申請する
申請は電子申請システムでのみ受け付け、郵送での申請は一切受け付けない。商工会議所・商工会が発行する事業支援計画書(様式4)と併せて申請する。
ステップ 8: 採択 → 交付申請 → 交付決定後に発注する
交付決定前に発注・契約、購入、支払い(前払い含む)を実施したものは補助対象外。展示会等への出展の申込みだけは交付決定前でも対象になりうるが、請求書の発行が交付決定日以後である必要がある。
つまずきやすいポイント
- 販売用の材料費を計画に入れてしまう: 「販売や有償レンタルを目的とした製品、商品等の生産・調達に係る経費」「販売している商品の仕入」は補助対象外の経費に名指しされており、この節は 8 区分のどれで計上しても働きます。加えて「計上されている経費の大半が補助対象外である場合」は不採択・採択取消になると定められています。
- 機械を買って試作するだけの計画になっている: 「機械を導入して試作品開発を行うのみであり、本事業の取組が直接販売の見込みにつながらない、想定されていない事業」は補助対象外となる事業の例です。 販路(出展・ネットショップ・卸先)を計画に書き込んでください。
- 試作用の材料をまとめ買いして余らせる: 「試作開発用目的の購入で使い切らなかった材料分」は対象外例にあり、原材料費には受払簿の作成が求められます。
- 発送用の梱包材を備品として計上してしまう: 補助対象経費として認められない経費に「消耗品(名刺、文房具、インクカートリッジ、用紙、はさみ、テープ類、クリアファイル、無地封筒、OPP・CPP 袋、CD・DVD、USB メモリ・SD カード、電池、段ボール、梱包材、タオル、シーツ、化粧品の購入など)」が挙げられています。
- 〈広報費〉〈ウェブサイト関連費〉だけで組み立ててしまう: どちらも上限 30 万円(税込)で、その区分のみによる申請はできません。ネット販売を中心に考える場合ほど、ほかの経費と組み合わせた計画が必要になります。
- 様式 4 の発行に時間がかかる: 必須書類である事業支援計画書(様式 4)は、発行にあたり計画(様式 2・3)等の内容について直接確認を受ける場合があり、 申請受付締切より前に発行依頼の受付締切が設定されています。機械の見積取得と並行して早めに相談を始めてください。
- 公募回ごとに要件が変わる: 補助上限額・特例・様式・締切はいずれも公募回ごとに改定される可能性があります。本記事の数値は公開時点の公募回を起点としているため、申請前に必ず公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。
本サイトからできること
本サイトでは、ハンドメイド作家の機械導入・試作・出展・ネット販売に使える持続化補助金を含む主要補助金の公募開始・締切を追いかけています。 公募回ごとに締切が変わる制度なので、次の受付回を逃さないための通知をご用意しています。
よくある質問
会社員の副業でハンドメイド作品を販売しています。小規模事業者持続化補助金に申請できますか?
本記事が参照している持続化補助金〈一般型〉第20回・〈創業型〉第4回の公募要領には、会社員の副業として事業を行っているかどうかで補助対象者を分ける記載はありません。「補助対象者の範囲」の表で個人事業主は「個人事業主(商工業者であること)」と書かれ、補助対象にならない者に「申請時点で開業していない創業予定者(例えば、既に税務署に開業届を提出していても、開業届上の開業日が申請日よりも後の場合は対象外)」が挙げられています。「既に税務署に開業届を提出していても、申請時点までに事業を開始していない場合も補助対象外となります」とも書かれているため、開業届を出して作品の販売を始めていることが前提になります。個人事業主の必要書類は直近の確定申告書で、決算期を一度も迎えていない場合のみ、開業届の写しと開業以降売上が発生していることを証する売上台帳等の写しに代えられます。申請要件の細部は本文の「ハンドメイド作家が使える持続化補助金は 2 タイプ」で整理しています。
3Dプリンター・レーザーカッター・ミシンの購入は補助対象になりますか?
3Dプリンターは〈機械装置等費〉の「対象となる経費例」に「新たなサービス提供のための製造・試作機械(特殊印刷プリンター、3Dプリンター含む)」として名指しで挙げられています。一方、レーザーカッターやミシンは、本記事が参照している〈一般型〉第20回・〈創業型〉第4回の公募要領の「対象となる経費例」にも「対象とならない経費例」にも記載がなく、「例示にない=対象外」でも「例示にない=対象」でもありません。判断材料になるのは一般の規定で、〈機械装置等費〉は「通常の事業活動のための費用、単なる取替え更新の機械装置等の購入は補助対象外です」と定め、「対象とならない経費例」には「家庭用電気機械器具」「その他汎用性が高く目的外使用になりえるもの」が並びます。3Dプリンターであっても「新たなサービス提供のため」という用途が添えられた例示なので、その機械で新しく何を作り、どこで売るのかを補助事業計画で説明できるかが要点です。個別の機器の可否は申請前に商工会議所・商工会または補助金事務局へ確認してください。
作品に使うレジン・毛糸・革・ビーズなどの材料費は補助対象になりますか?
材料は、試作のための材料か、売る作品のための材料かで扱いが分かれます。〈新商品開発費〉の「対象となる経費例」には「新製品・商品の試作開発用の原材料の購入」があり、「購入する原材料等の数量はサンプルとして使用する必要最小限にとどめ、補助事業終了時には使い切ることが必要です(実際に使用したもののみが補助対象です)」と定められています。対して「対象とならない経費例」には「開発・試作した商品をそのまま販売する場合の開発費用」「試作開発用目的の購入で使い切らなかった材料分」があり、経費区分をまたいで働く「補助対象外となる経費」にも「販売や有償レンタルを目的とした製品、商品等の生産・調達に係る経費」「販売している商品の仕入」が挙げられています。販売する作品の材料費を補助金でまかなう計画は組めません。原材料費を計上する場合は「受払簿(任意様式)を作成し、その受け払いを明確にしておく必要があります」。詳しくは本文の「試作の材料・パッケージのデザインは〈新商品開発費〉」を参照してください。
クラフトフェアやマルシェの出店料・交通費は補助対象になりますか?
出展料は〈展示会等出展費〉です。公募要領はこの区分を「新商品等を展示会等に出展または商談会に参加するために要する経費」と定義し、「展示会出展の出展料等に加えて、関連する運搬費(レンタカー代、ガソリン代、駐車場代等は除く)・通訳料・翻訳料も補助対象となります」としています。ただし「販売のみを目的とし、販路開拓に繋がらないもの」「補助事業期間外に開催される展示会等に係るもの」「選考会、審査会(○○賞)等への参加・申込費用」は補助対象外です。会場までの移動は〈旅費〉で、「対象となる経費例」に「販路開拓のための展示会等への出展に係る宿泊施設への宿泊代」「バス運賃・電車賃・新幹線料金(指定席購入 含む)・航空券代(燃油サーチャージ含む。エコノミークラス分の料金までが補助対象)」があり、「ガソリン代・駐車場代・タクシー代・レンタカー代・高速道路通行料・グリーン車・ビジネスクラス等の付加料金分」「日当」は対象外です。出展の申込みは交付決定前でも構いませんが、請求書の発行が交付決定日以後でなければ補助対象外です。本文の「クラフトフェア・マルシェへの出展は〈展示会等出展費〉と〈旅費〉」で整理しています。
ネットショップの開設費用や作品写真の撮影費用は補助対象になりますか?
どちらも〈ウェブサイト関連費〉です。公募要領はこの区分を「販路開拓等を行うためのウェブサイトや EC サイト、システム(オフライン含む)等の開発、構築、更新、改修、運用をするために要する経費」と定義し、「対象となる経費例」に「商品販売のためのウェブサイト作成や更新」「商品販売のためのウェブサイトに掲載する宣材写真の制作費用」「ウェブサイトに掲載する商品・サービスを販売するための画像や動画作成費用」を挙げています。一方「ウェブサイトに使用する画像等における被写体や商品(紹介物等を含む)の購入に係る費用」は対象外です。この区分は「ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。必ず、ほかの経費と一緒に申請してください」とされ、「当経費の補助金交付申請額の上限は 30 万円(税込)です」。ネットショップ全般の経費区分は EC サイト構築の補助金ガイドで扱っています。
発送用の段ボール・OPP袋・梱包材は補助対象になりますか?
対象になりません。公募要領は補助対象経費として認められない経費に「消耗品(名刺、文房具、インクカートリッジ、用紙、はさみ、テープ類、クリアファイル、無地封筒、OPP・CPP 袋、CD・DVD、USB メモリ・SD カード、電池、段ボール、梱包材、タオル、シーツ、化粧品の購入など)」を挙げており、段ボール・梱包材・OPP・CPP 袋はこの例示に含まれています。包装については〈新商品開発費〉の「対象となる経費例」に「新たな包装パッケージに係るデザイン費用」がある一方、「対象とならない経費例」に「(包装パッケージの開発が完了し)実際に販売する商品・製品を包装するために印刷・購入するパッケージ分」があり、デザインの開発と、販売に使う包装材の購入は分けて扱われています。
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